2010年10月01日

君たちに明日はない

書評です。往年のハリウッド映画を思い出させるタイトル。

垣根涼介の「君たちに明日はない」を読みました。久々に面白いエンタメ小説でした。冒頭からぐっと引き込まれました。

企業の代わりにリストラを請け負う請負人の話です。請負人の真介と面接を受ける社員との攻防戦が面白いです。子供みたいになりふり構わずごねる人、高圧的に脅しに出る人etc…。私だってリストラの危機に瀕したらプライドなんてかなぐり捨てちゃうかもしれません。やっぱり人のことは笑えない。

リストラのストーリーとはいえ、どこかに救いを入れています。銀行行員になかなか良い再就職先が見つかったり、建材メーカー社員が団体職員に転職できたり。ただただ厳しい世の中を反映しているだけじゃ情がないですものね。せめて本の中だけでも救いが欲しいものです。

主人公の請負人と、被面接者の女性会社員の恋というのも面白い設定です。しかも、八歳年上のアラサーキャリアウーマンというのだから、四十代のオヤジ作家らしからぬ設定です。垣根先生曰く「男の小説家がいかにも書きそうなうそ臭いヒロインは避けた」のだそうです。

発想は面白いけど、それでもやっぱり女性読者の共感はいまいち得られないかも。ロマンス面では。やはり女が好むロマンスって女性作家でないと上手く描けないのですよね、少女マンガみたいに。

垣根先生の本は初めて読んだけど、その他の作品も読みたくなりました。





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posted by 館主 at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 読む/文芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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