2006年04月25日

松下幸之助と日本資本主義の精神

結構好きな評論家福田和也著の「滴みちる刻きたれば―松下幸之助と日本資本主義の精神」である。「松翁」と呼ばれる20世紀日本の屈指の実業家、松下幸之助の伝記である。

毒を含んだ小気味良い文体でグイグイ読ませてくれるのが福田和也だが、この本には以前に読んだ彼の著書ほど引き込まれなかった。3巻にも渡る伝記は、松下の生涯の仔細に分け入りすぎて少しくどい。

それでも、やはり私は松下の起業理念にうならざるをえない。ともすれば今日では、日本型経営方式-家族的な結束と終身雇用制-が内外から批判されがちだが、私はその方式を改めて評価してしまう。日本型経営方式が何故、どう良いのかを、そこに至る背景と松下の真摯な生き様が教えてくれた。

ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレンが日本的経営方式に批判的なことは知られているが、塩野七生などは彼の言にこう反論していた。「ウォルフレンの母国オランダのような小さな国であれば、コントロールがしやすいので彼の言う理想的な経営様式を適用できるだろう。彼の国の見方をそのまま日本に当てはめることはできない」と。


出版社/著者からの内容紹介
稀有のサクセス・ストーリーというのみならず、いわゆる「日本的経営」の原型の創始者としても、その業績を評価されている松下幸之助。その経営哲学の核心とは何か。そして、いかに形成されたのか。いかなる影響を産業界に与えたのか。

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気鋭の評論家として知られる福田和也が、松下幸之助の評伝2冊を同時刊行した。第1部は松下幸之助の生誕の地、和歌山・大阪での青春、そして23歳の創業までの足跡をたどっている。
本書が興味深いのは、松下幸之助の成功伝ではなく、あくまで松下のその時々の等身大の人物像が生々しく描かれている点だ。15歳の若き松下は、自転車を販売する仕事をしていたが、その当時、電車が普及してきており、「このままでは、自転車の需要は少なくなってくるのではないか」との危機感を抱く。そこで、電気事業の将来性に注目し、大阪電燈株式会社に転職。15歳から22歳までの青春時代を同社で過ごす。

松下は文字や書物に頼らず、自らの観察力に基づいて物事を理解していき、スピード出世を果たしていく。ところが、20歳のときに病気を患い、会社生活に限界を感じて独立を構想するに至ったという。つまり、不健康でなければ独立していなかったかもしれないのだ。松下の兄弟は皆、20歳前後で亡くなっている。

カリスマ的な経営者として知られる松下だが、独立した初期のころ、製品がまったく売れず、危機的な状況に追い込まれている。だが、1つの注文をもとに、次々と仕事を得ていき、急成長を遂げた。

日本人は今、元気がないといわれるが、松下幸之助の生き方には、時代はまったく違えど、大いに勇気づけられる何かがある。ぜひ多くの人に一読をすすめたい。(玉木 剛)
posted by 館主 at 19:46 | TrackBack(1) | 読む/新書・随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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