2006年05月13日

フェミニズムの害毒-林道義の良心と受難

前回の辻元発言への批判と関連しているが、林道義著の「フェミニズムの害毒」についての書評である。これを著した東京女子大学の林教授は一言で言うと勇者である。何故なら、彼は一般男性は及び腰になってしまうフェミニズム及びジェンダーフリー批判を行ない、そのせいでコワモテのフェミオバたちにイジメられたりもしたのだ。あのアラレちゃんメガネで売名的に名をなした、精神科医香山リカちゃんにも叩かれたことがある。付け加えると、林先生の方から名指しで特定の誰かを批判したことはなく、まずはフェミニズム自体を批判しただけだ。


皆が皆そうではないと思うが、フェミニストのオバサンたちというのは、なんともはや「ああ言えば上祐」というか……もとい上祐氏ほど論理的ではなく、屁理屈ばかりこねる人種なのだ。林先生はユング哲学に造詣の深い論理派なので、ああいう中学生の口げんかみたいな揚げ足取り、強弁詭弁には、まったくタジタジになってしまうのだ。これだから「女の議論には論理性がなく、気の強さと屁理屈で押し切る」と言われるのだ。


例えば田中喜美子という、主婦投稿誌「わいふ」の編集長である人物とのバトルが痛々しかった。もちろん最初に仕掛けてきたのは田中氏の方だった。彼女は議論の本筋から逸れた個人的な中傷をすることもあり、「『道義』だなんて非常に道徳的な名前ですなぁ」などと揶揄することもあったそうだ。また、彼女は公民館の市民講座で林先生の著書を批判していたのだが、先生がそのテープの請求をすると彼女曰く「きっぱりと断った」のだそうだ。何かズレている。公的な場で発言したものを特定の人間にだけ隠蔽しておいて、何でそれをあたかも「毅然とした行為」のように語るのだろうか?


田中氏の屁理屈は随所に見られた。働く主婦のための保育所を礼賛する理由というのがまたズレている。「子供は他人に、特にその道のプロにも育てられた方が良いのだ」というゼロ歳児保育論を補強するために、「昔は天皇家でも子供は専門の養育係が育てていた」などという謎の理屈をこねる。庶民も帝王学を実行しろと言うのか?? 天皇家の養育が保育園のゼロ歳児保育とどう関わるのかもわかりゃしない。


田中氏の団体は利益団体であり、それは主婦の不満が派生しないと成り立たないのだ。そういったフェミニズムは崇高な社会運動からかけ離れたものだ。林先生は「フェミニズムは男性と女性を平等にしようとする運動だと思われているが、実はひそかに男性を支配したいという動機が働いている場合が多い。そう言う女性たちは、「夫」や「男」を敵と見なす。彼女たちの活動は男性への対抗心を原動力にしている」と指摘する。
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林先生は旧弊な男性たちとは異なり、非常に良心的でフェアな立場から、アンチ・フェミニズムを語っている。「俺が女房を食わせてやっている」なぞという恩着せがましい父権主義が、田中氏らに付け入られやすい主婦の不満を生み出すと、男性の側も批判している。

特に私が共感したのは、M字型就労の推奨である。世の中、どの世代の専業主婦についても、十把一絡げに語るから話がゴチャゴチャになるのだ。あの売名女石原理紗が揶揄する「三食昼寝付き」などというのは、子育てを終えた専業主婦にのみ言えることなのだ。子育て真っ最中の母親はたとえ働いてなくても、ハンパなく忙しい。子供が小さければ小さいほど、人数が多ければ多いほど育児は忙しいのだ。


そこで田中氏らは保育園を提言するのだが、林先生は、いかに保育士がプロと言えど、子供は実母に接しているのが一番良いのだと、様々な例を挙げてと反論する。これは私の母も主張する論だ。フェミニストらは「毎日働きにも出ないで家で子供と遊んでいる」と専業主婦を批判するが、その触れ合いの中に意味があるのだと母は申す。


そして、子育てを終えて一気に暇になった主婦に働き口を与えよう、というM字就労が、林先生の現実的な考えなのである。子育てを終えた女性が元の仕事/職業に復帰できるような社会作りこそ求められると彼は説く。

「扶養者控除のある主婦はズルイ」なんて言う世論があるが、扶養者控除をなくしても、フェミニストの推奨に従って保育所関連に税金をばらまいていたら結局は同じことなのである。保育士に税金を投入するなら、そのお金を主婦に投入して、実の母親に子育てをしてもらった方がよほど良いんじゃないか?と林先生は唱える。
だが、政界にはフェミの息がかかった族議員が跋扈していて、主婦を職場に駆り立て、保育所に多額の税金を投入するように仕向けているのだそうだ。そして、政界やマスコミにはフェミニストに逆らえない風潮が出てきているのだそうだ。


そういう巨大勢力に立ち向かった林先生はやはり勇者と呼ぶべきだろう。


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posted by 館主 at 11:34 | TrackBack(2) | 読む/新書・随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-05-15 06:48

5/16 機能、としての男女。存在意義としてのフェミニズム。
Excerpt: ちょっと短めですが、なんて書き始めていたら長くなってしまいましたが 先日の記事でも書きましたちょっとした続き。 ・<就職性差別>大阪の男性が提訴 派遣会社に賠償求める こうして出てくることはいい..
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