2006年08月14日

靖国問題pros and cons

毎週日曜日に見ている「報道2001」は、割と見ごたえのある時事番組だ。竹村健一もレギュラー出演してて、あの関西弁で竹村節を振るう。


先週から引き続き話題になっているのは、靖国参拝を巡る極東三国と日本の軋轢である。先週は民主党の小沢一郎と京セラの稲盛会長が-いずれも親中・反靖国派-この問題について会談していた。小沢氏は中国とのパイプを強調し、小泉・安倍路線には無い対中外交をアピールするが、ミイラ取りがミイラにならなければ良いな、というのが私の感想である。さしもの古ダヌキよりも、中国の大物の方が一枚上手のような気がする。利用しようとしても逆に利用されて終わりそうだ。
稲盛会長は経済人ということで、中国ビジネスが絡んでの発言は見え見えだった。


で、今週も靖国問題がテーマで、保守とリベラル(左派)が激論を交わしていた。しかし民主党議員というのは、揃いも揃って反靖国参拝なんだな。藤井裕久氏と枝野幸男氏が、いかに靖国の公式参拝が国際的な常識からずれているかを主張する。与党自民党と差別化をはかろうとしているのだろうか。
民主党で唯一買っているのは、「中国脅威論」を唱えた前原前代表くらいなものだ。永田議員の問題の責任をとって潔く辞任した姿勢も天晴れだった。


あと一人共産党議員(名前は失念)が、民主党の2人に加勢して、痛烈な靖国批判をしていた。そこへ毅然として反論していたのは、高市早苗衆議院議員と金美齢女史である。このメンバーの構成というかメンツのせいかもしれないが、愛国的なのは女性ばかりなりとは、男どもは情けない! 


以前からその慧眼に感心していた高市女史の論は説得力があった。あのきな臭い『富田メモ』に関してはこう意見した。
確かに昭和天皇はご自身なりのお考えを持って、ああいう発言をされたのでしょう。ですが、日本は立憲国家です。如何に天皇陛下が発言されたとて、それを政治に影響させるべきではありません。靖国反対者は普段は天皇陛下に関心が無いくせに、こういう時だけ鬼の首でも取ったかのような態度をとるのはどうでしょう?
そうなのである。左派を中心とした靖国反対派は、そもそも天皇制自体に反対ではないか。なのにこういう時だけ天皇の言葉を利用するのは、一種のダブルスタンダードである。


それにしても金女史は、そこいらの日本人よりも日本のことをよく理解し、愛していらっしゃる女性だとつくずく感じた。外圧にへいこらと屈する男どもが多い中、これだけ真摯に公平性を持って、日本を擁護する女性はいないだろう。
広田元首相の孫や台湾の原住民の一部が、靖国神社が自分の先祖を勝手に祀ったと怒っている問題が取り上げられた。共産党議員などは「アーリントン墓地でさえ、戦没者の意向を確認してから埋葬するぞ!」とまくし立てる。

金女史は曰く。「そもそも魂というものは自由なものなのです。当然、子孫が勝手に先祖の行き先を決めるものでもありません。魂は自由な存在なのですから、靖国に祀られたくないと本人が思っているのなら、その御霊はとっくに社から離れているでしょう」
確かにそうだ。第一、靖国神社は寺ではないので、死者の遺骨を納めるスタイルではない。ただ魂を安んじているだけだ。

彼女はまた言う。「日本のナショナリズムが高揚しているなどと煽っている人々がいますが、そんな杞憂はナンセンスと言わざるをえません! そもそも日本人は世界で最も愛国心の無い国民なのです。多少憂国に傾いたところで、戦争につながるなどとは、発想の飛躍もいいところです」
確かに、私自身もそういうシラケ世代の一人だった。もし戦争が起こることがあったら、外国へ逃げようなんて思っていた。そういう人は結構いるのではないだろうか。


マスコミはあまりにも靖国問題を煽りすぎなのだ。これを問題化すること自体がおかしい。この問題は宗教や政治、法律、外交の問題が複雑に絡み合っていて、どの物差しを使うかで、どの見地に立つかによって、いくらでも賛成や反対ができるのである。そりゃあ、政教分離のことを持ち出したらキリが無い。

だが、特定アジアが戦略的にこの件を問題化している場合、それに安易にうなずいてはならない。民主主義の重大な欠陥として、デマゴーグが起こるということがある。この国では庶民感覚=善、正義という短絡的なイメージが蔓延している。外交的な意味合いなんかには全く無頓着なコメンテイターが、特アがカワイソウだからと靖国参拝を非難すると、無垢な視聴者はすぐに流されてしまう。こういう世論の流れはとても危険だ。


共感できるブログ:「ゆうくんの部屋」 最近の一連の靖国問題を取り上げている。

この問題について、当ブログで過去に上げた記事:「九段下で大騒ぎ


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※ちなみにタイトルのpros and consとは英語で「賛成と反対」という意味である。


posted by 館主 at 01:44| 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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