2005年05月30日

井形慶子のイギリス本


母が高尾慶子の他に、井形慶子のイギリス本も送ってきた。W慶子である。「古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家」(新潮文庫)である。井形さんは住居に焦点を当てたイギリス礼賛本を書いている。


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つまらない本だった。イギリスを礼賛する仕方にどーしても無理があった。日本の便利な仕掛けや機能を行き過ぎとし、不便なイギリスのそれを「シンプル」とするのは強引だった。ものは言いようとはまさにこのこと。

たとえば、「日本のトイレはスペースシャトルか?!」などと揶揄っているが、私に言わせればこちらのトイレは最低だ。まず公共のトイレは汚いし、学校のトイレなんか嘆きのマートル(ハリーポッターに登場するトイレの花子さん)が飛び出してきそう。水量が少なくて、なかなか流れないトイレも多々あるし。井形さんの言うようにウォシュレットや温水便座はどうしても必要なものではないが、基本的な機能すら劣っている。便座の円周より、便器の円周の方が大きいので、腿が便器に触れて気持ち悪いったら!しかも、プラスチックや木の硬くて平たい便座を、家庭でも便座カバーを付けずに使用していた。ああ、あの気持ち悪さを思い出してしまった〜〜。


日本人がすぐに家を建て替えることに批判的だが、日本は地震の多い国なのである。また、霧雨のような水量の少ないシャワーは節水になるんだそうな(んな、バカな)。私はあのチョロチョロシャワーで、ちゃんとシャンプーの泡が流しきれるのか心配だ。おまけにヘッドが頭上に固定され動かせない。風呂水を洗濯に使う我が家の方がよほど無駄がないと思うが…。フランスでは水量も多く、ヘッドも動かせた。

ウサギ小屋に住むストレスが少年非行を生むと書いているが、階級性のあるイギリスの方が非行少年が多い。さらに、浴室と一体になったトイレが、広さゆえにストレスを減らすのだそうだが、便器の見えるお風呂で長風呂なんか、私にはとてもできない。ちゃんと掃除してないと臭うぞ。おまけにシャワーカーテンはあっても、お湯がトイレ部分にまで飛び散りやすい洋式スタイルは、日本人の入浴スタイルには合わない。

さらにはイギリス人主婦の手抜き料理をまで賛同する。料理に手間をかけない分、食事中、後の会話を楽しむのだそうだ。私だったら、手がかかっても美味い料理を食べたいものだが。その方が健康にも良い。あれが不味い飯の原因なのだな。文化の違いゆえと書いていたが、食と入浴に楽しみを見出せないイギリス式ではいきたくないものだ。


イギリス人はプライドが高い。以前、日本で同僚だったウェールズ人も、日本より劣る面を認めようとしなかった。日本と異なり、商店が夕方には閉まり、光熱費が支払え宅急便が出せるコンビニが無いことを、「文化の違いだ」と言いのけていた。とにかくあの国の人間は、物事を効率よくしようとか考えないのに、よくもまああんな強がりを言うものだ。他人の良い面を素直に褒める気はないのか?


井形さんの本で一つだけ共感したのは、日本の景観の醜さである。あんなに全体の統一がとれていない景観は、ヨーロッパでは珍しい。個人の自由を楯にして、金沢の古い町中に平気で洋館を建てる。私だったらそんな厚かましい真似はできない。田舎の田園地帯に突如として現れる、極彩色の巨大パチンコ店や、高速道路のインターチェンジ近くに並ぶ、ディズニー城のような連れ込み...。外国の人が見たらなんと言うだろう?パチンコ屋も連れ込みも、せめて安土城みたいにしてくれれば、和の雰囲気を壊さないのだが(笑)。無計画な都市計画をなんとかしてもらいたいものだ。


この本は読まなくてもOKである。
イギリス礼賛に固執するあまり、井形さんはその住まいの重大な欠点に触れていない。彼らは流しで3角コーナーを使わない。ゆえに生ごみは排水溝垂れ流しだ。そしてごみを分別せずに捨てている(書いてはいたが事も無げといった感じだった)。缶も生ごみもぜーんぶ一緒くただ。乾電池も!彼らの夢の島は広いのか?そういった実情を知らずに井形慶子の本を読むと、ただただ無垢に英国マニアになってしまうのだ。本を売るために都合の良い情報しか書かないということに気付かない。


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posted by 館主 at 21:04| 読む/新書・随筆 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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