2010年06月13日

マリー・アントワネット〜子役哀歌

久々の映画評です。DVDでソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」を観ました。

良かったです。

「良い」理由は色々で、何もストーリー展開が面白いから、良いと言っているわけではありません。まあ、「マリー」のストーリーもそれなりに面白かったですけど。

何が良いって衣装! ハリウッドのお嬢様、ソフィアが監督しただけあってセンスが良いんですよ。キャンディーカラーのかわいいドレスの数々には、女性なら誰でも目を奪われます。

シーンが変わる毎に召し替えられる衣装を見ているだけでも楽しいです。
marie5.jpg


このソフィア・コッポラはフランシス・コッポラ監督の娘で、日本人にたとえるなら蜷川実花のような存在です。蜷川さんもお洒落コスチューム映画「さくらん」を撮りましたね。七光りといい、育ちの良さといい、二人はよく似ています。

この映画をリリースした時、本国フランス人から「違う」的な批判を受けたみたいですが、私はこの映画はこれで有りだと思います。やたらヒネクレ&お耽美映画を作ることに血眼になっているフランス人には、作れない映画ですよ。フランスにはソフィアみたいな感性の監督はいませんね。


惜しむらくはキャスティング。
ソフィア映画の常連、キルステイン・ダンストを主役に据えたのはわたし的にはまずかったです。キルスティン、子役が大人になってブサイクになっちゃうケースの典型です。蛍ちゃんケース(←あ、しまった、言っちゃった!) キルスティンは「スパイダーマン」でヒロインを演じて、多くの男性からブーイングを受けた人です。

日本人にはマリー・アントワネットは、ベルバラに出てきた金髪美人のイメージが刷り込まれています。バカっぽいブロンド美女の配役にすべきなんです。さしずめスカーレット・ヨハンソンとか(私は彼女すきですけど、あくまでイメージね)。
クリスティンのあのアジア人並みに突き出た頬骨と、獅子っ鼻を見ると幻滅します。彼女にはゴージャス衣装やきれいどころの役は似合いません。

キルスティンは演技力があるんだから、もっと社会派の映画に出ればいいのに。彼女には、生活に疲れた女工とかプロレタリアートな役が似合いそう。

同じ子役上がりでも、スカーレットとか、クリスティン・スチュワートはきれいに成長したのにね。皮肉なものです。

でも、この人、声は美人なんだよね。その昔、「魔女の宅急便」の英語吹き替えにキキ役で声を当てていました。


と、まあ、今回も毒吐きまくりの映画評でした。オバハンだから女に厳しいですね、ハイ。


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posted by 館主 at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

映画評 上海の伯爵夫人

かねてから見たかった作品をTSU●AYAで借りてきて鑑賞しました。

カズオ・イシグロが映画のために執筆した「上海の伯爵夫人」原題"The White Countess"でです。これは万人にとって面白い作品だとは思わないけど、私や私の同類にとってはたまらない作品だと思います。

私はイシグロさんのファンで最近の「私を放さないで」も好きです。だからこの映画が好きだというよりも、むしろこの作品が背負っている歴史浪漫チックな香りがたまらないのであります。この「上海の伯爵夫人」は少女漫画家森川久美が描いていた世界観そのものなのです。

森川さんとは80年代から出てきた漫画家で、中世から近現代の欧州や上海(の租界)を舞台に、格調高くかつ浪漫チックでスリリングなストーリーをお描きになった方です。彼女の作品を読むと「ああ、アタシもルネッサンス期のイタリアに生まれたかった」とか「戦前の上海租界に住んでみたかった」などと思ってしまいます。

映画の中で異邦人同士が出会うというのも、森川ワールドとだぶっているのです。主人公=アメリカ人の元外交官、相手役=亡命ロシア貴族の未亡人、脇役=日本人実業家(と見せ掛けて実は軍人)。まるで「南京路に花吹雪」みたいではありませんか!

二回視聴したのですが、二度目は英語音声+英語字幕で見ました。さすがにイシグロさんが書く脚本だけあって(彼は日系英国人)、婉曲で持って回った独特の言い回しでした。真田広之演じる松田が話す英語も外国人らしからぬ高度な言い回しですよ。真田さん、よく頑張りました。外国映画には渡辺謙がよく出てくるけど、私は松田の役は真田さんで正解だったと思います。

イギリス人レイフ・ファインズの話すアメリカ英語が見事でした。それからロシア人を演じたナターシャ・リチャードソンのロシア訛りの英語も。役者さんって芸達者ですねえ。

そして彼らが通う租界の「洗練された」バーの雰囲気がまた、退廃的で浪漫チックで素敵なのであります。李香蘭さんが舞台の上で踊っていそうなクラブなのです。劇中で歌を唄う二人の中国人歌姫の顔がまた東洋的で、日本やアジアの映画では起用されなさそうなお顔立ちでした。ノンスタイルのツッコミの人と織田信成くんにそっくり(笑)。そのキャスティングがまた東洋的で良いんですよ。

最後、日本軍の侵攻によって上海租界のコミュニティはなくなってしまうのだけど、いずれ中国は共産党に支配されるわけで、日本軍が来なくともコミュニティは風前の灯火だったのです。なにしろ共産中国は外国文化なんて諸悪の根源、紊乱なものだとしていましたからね。

戦前の日本、そして共産主義が入ってくる前のには、洗練され成熟した文化があったのですが、戦後、文化と呼べるものは退化してしまったのではないかと思います。現代の日本を見回して見ると、テレビではギャーギャーとくだらないバラエティ番組が大騒ぎしています。辺りを見回すと統一性のない建物が乱立し、醜いセールスの幟がたなびいています。

現代の方が良い時代だなんて本当に言い切れるでしょうか? 確かに戦争はありませんが、戦前の方が文化的には成熟していたかもしれないし、人々の心も奥ゆかしかったのかもしれません。


森川久美先生はあまりメジャーな作家ではありません。聞くところによると先生は非常に美意識の高い方なので、雑誌の方針に迎合したりはしないそうです。私は、先生の世界を理解するには、一般の日本人は幼稚なんじゃないかと思います。大衆には受けなかったけど、マニアなファンのために執筆を続けて欲しいものです。先生が原作を担当する小説があればいいなと、個人的には願っています。

それにしても、作中で李香蘭の「蘇州夜曲」をかけて欲しかったな〜〜。

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posted by 館主 at 19:35| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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